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汗を問う

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 7月16日
  • 読了時間: 1分
汗を問う

「手に汗握る」と言いますが、汗は緊張や暑さに正直に反応し、体の事情をこっそり教えてくれる小さな報告係です。やっかいもの扱いされがちですが、体温を下げ、肌をうるおし、日本の夏には湿気まで運び出す働き者でもあります。東洋医学では、汗腺の開け閉めを任されているのは体表を守る衛気、その材料になるのは津液や血といった陰液です。衛気が手を抜けば汗は漏れ、陰血が尽きれば夜にこっそり寝汗が出る——汗の乱れは、いわば体からの正直な便りなのです。本稿では、汗の成分や発汗のしくみから説き起こし、衛気を強める黄耆、営衛を調える桂枝湯、陰をおさめる五味子や生脈散、皮膚の水をさばく五苓散など、汗にまつわる生薬と処方を体系的に整理しました。さらに自汗・盗汗・絶汗・頭汗・手足の汗・多汗症・わきがといった症候別の弁証と治法、精神性発汗や更年期・甲状腺機能亢進症に伴う汗まで取り上げています。汗という身近な現象を入り口に、衛気と陰血のはたらきをあらためて見つめ直したいと思います。

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