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傷寒論を読む 辨太陽病脈証并治第五:桂枝湯他

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 9月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

桂枝湯

本講義では、『傷寒論』における「辨太陽病脈証并治第五」に記された処方群を中心に、六経弁証の理論構造と各処方の方意、現代的応用について詳述します。『傷寒論』は後漢の張仲景により編纂された中国医学の古典であり、今日の漢方医学の基礎理論と臨床応用においても重要な意義を持っています。病は表から始まるというように、感染症の初期は病邪は体表とりわけ背中の太陽膀胱経から侵入すると考えられています。太陽病は、外感風寒が体表に侵入した初期段階の病態を指し、表証を中心とした諸症状に対して適切な処方を選択することが求められます 。太陽中風に対する桂枝湯は、営衛不和による自汗、悪風、発熱、脈浮などを示す病態に用いられ、桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗からなる配合により、営衛の調和と適度な発汗、脾胃の保護を同時に図る構成となっています。また、筋緊張を伴う症状に対しては葛根を加えた桂枝加葛根湯、発汗過多後の虚寒状態には附子を加えた桂枝加附子湯が用いられ、個々の症状に応じた加減法が展開されています。さらに、表証治療が過度となり誤治により胸満や気機鬱滞を呈する場合には、芍薬を除去し茯苓・白朮を加えた桂枝去芍薬加茯苓白朮湯が適応されるなど、誤治後の補正処方についても紹介されています。また、瘧状の反復発熱に対しては、桂枝と麻黄の比率を調整した桂枝二麻黄一湯が有効とされ、症状の周期性に着目した処方が選択されます。これから、傷寒論を現代的解釈も踏まえて読み解いていきます。本講義を通じて、各処方の条文・構成・方意・臨床応用を詳細に把握することで、漢方の実践的な診断能力と処方選択眼を高めることを目指しています。古典的な条文の正確な理解に加えて、現代病態に即した応用力と、症状変化に応じた加減の柔軟性を身につけることが重要であり、漢方医学と現代医学の架橋となる新たな解釈への一助となることを期待しています。


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