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めまいに対する漢方医学的アプローチ/今中政支

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 9月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

めまい

めまいの治療においては、回転性(vertigo)か非回転性(dizziness)かの問診がまず大切な鑑別伝です。回転性の場合は、内耳の関与が、立ちくらみなどの非回転性の場合は自律神経の失調などが考えられます。めまいは全身的な平衡機能反射の障害を伴い、入力系としての資格、迷路前庭系、体性感覚性が中枢である大脳や、小脳から脳幹へ至り、自律神経系、眼筋、四肢体幹に出力されて、症状が出現します。

めまいの漢方診療のおいては問診が大切です。罹病期間、反復性の生む、難聴、耳鳴り、耳閉感、頭痛、意識障害などの随伴症状、めまいの正常としては、前述の回転性、非回転性、頭位による誘発の有無、ふわふわ、揺れている、吸い込まれる、歩行時のふらつき、めまい発作の持続時間などを詳しく聞いておきます。さらに適切な漢方処方を選ぶためには、冷え肩こり、腰痛、胃腸虚弱、下痢、便秘などの消化器症状、夜間頻尿、ストレス、イライラ、疲労、睡眠状態、頭痛、頭重感、天候による変動、嗜好品などを敷いてゆきます。

 江戸時代の名医、吉益東洞はめまいはすべて水毒説を唱えましたが、めまいの漢方医学亭アプローチとしては、水滞をさばくことを旨とし、体液(内耳、内リンパ)が偏在した状態を是正することに重きをおきます。具体的には五苓散、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯などの利水剤を使用します。

 五苓散はアクアポリンの機能を調節して利水する作用があり、脳にも作用して、内リンパの水腫とともに脳にも作用して回転性のめまいを治します。

 苓桂朮甘湯は自律神経の調節作用を持ち、起立性低血圧や、立ちくらみによるめまいに有効です。良性頭位性めまいにも有効です。水液代謝の異常は『痰』という病理物質を生みめまいを引き起こします。胃腸の虚弱があれば半夏白朮天麻湯が有効です。手足が冷えやすく、足に力なく、むくみ、下痢傾向で、動揺性のめまいの患者さんには真武湯を用います。さらに患者さんの背景に潜む歪みを取り除く視点で漢方を選ぶことが重要で、血虚や瘀血、腎虚、肝の失調、気滞、気鬱などに注意をはらい、薬方を選択することが大切です。標治と本治の2剤併用もよくおこなわれます。本編では具体的な症例を通して、めまいの漢方の運用の実際について学びます。(文責:峯尚志)


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