代赭石を問う
- 備忘録 東洋医学
- 7月16日
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代赭石は赤鉄鉱(主成分Fe₂O₃)を基原とする重墜の鉱物薬で、「降ろす生薬」の代表です。張錫純は『医学衷中参西録』で代赭石を「薬性きわめて和平、逆気を降ろして正気を傷らず」と高く評し、胃気を降ろす第一選択としました。本稿では、平肝清熱・鎮逆降気・涼血止血という三大薬能を整理し、旋覆花代赭石湯・醍泉飲・降胃鎮衝湯などの代表方を概観します。さらに、腎虚により命門の火が浮き上がる「火不帰原」を七つの類型に分け、代赭石が浮越した元陽を引き下ろす「引火帰原」の要薬として働く類型(1・4・5)を解説します。また、鉄を含みながら溶出が少なく鉄欠乏性貧血には効きにくいこと、胃粘膜への機械的刺激によって蠕動の向きを正すと考えられること、涼性のため虚証では生姜など温性薬と併用する工夫など、現代的な視点も交えて代赭石の臨床的意義を問い直します。

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