心下痞硬を問う
- 備忘録 東洋医学
- 9月8日
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更新日:11月9日
東洋医学ではみぞおちが痞える症状を心下痞と表現します。心下痞とは、自覚的に心下部に不快感やつかえ感を覚える症状であり、心下痞硬は、心下痞が進行して他覚的に抵抗や硬結として触れるようになった状態を指します。心下には胃、肝胆、膵臓、小腸など多くの臓器が位置し、心下のうえには心肺があり、それらをつなぐ神経系が複雑に絡み合っているため、症状の解釈には多角的な視点が必要で、これらの症状は、腹腔神経叢を介した自律神経のアンバランスや、心理的ストレスに起因する反応とも深く関係しています。 東洋医学では、寒熱、水滞、食滞、痰飲、気逆といった病理をもとに弁証を行い、半夏瀉心湯をはじめとする瀉心湯類、桂枝人参湯、大柴胡湯、十棗湯などの処方が用いられます。それぞれの処方には、黄連・大黄・黄芩などの清熱薬や、人参・乾姜などの補気・温中薬が含まれ、心下の病態に応じた処方を選択します。心下痞や痞硬は、西洋医学的には異常と判断されにくい未病の段階で現れることも多く、「上工は未病を治す」という言葉にあるように、病(やまい)の徴候を事前に察知して、病気としてできあがる前に治療を開始できることも東洋医学の優れた点だと思います。

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