橘窓書影を読む2-011〜030
橘窓書影を読む2-11〜30
今回の症例の概要は以下の通りです。2−11〜30までの20症例を学びます。詳しい症例の提示と考察については本編をご覧ください。
| 症状・病態 | 治療内容 | 転帰・考察 |
2-11 | 下腹の塊と月経不順(隔月〜三月に一度)。全身のむくみ・面色萎黄・腹満・短気 | 桂枝茯苓丸料加茅根車前子、大黄䗪虫丸を兼用 | 月経順行し塊縮小、むくみ消退。血水同治の好例 |
2-12 | 左足甲の瘤状腫脹(軟らかく発赤)。歩行困難・月経停滞 | 桂枝茯苓丸料加附子、当帰蒸加荷葉礬石(外用温熨) | 月経再来し腫痛消失、全治。瘀血流注の見立て |
2-13 | 六十歳の不正出血・汚水漏下。腰の冷え氷鉄のごとく、他医は不治の帯下と診断 | 温経湯、硫黄竜骨二味丸を兼用 | 腰温まり漏下減少、数月で出血止み平常に復す |
2-14 | 急性腹痛・腹堅満・刺痛拒按(結胸)。舌黄苔・大小便不利・嘔逆 | 大陥胸湯、蜜水浣腸で導下、後に堅中湯 | 大便快利数十行、嘔止み全愈。給薬経路の工夫 |
2-15 | 産後の煩熱・割れるような頭痛。食欲不振で日々衰弱 | 三物黄芩湯、小柴胡湯合四物湯+鹿角霜 | 煩熱頭痛消失、悪露下り安定し全治。清熱から養血へ |
2-16 | 心気不定・胸満・煩驚・四肢攣急。後に腰脚疼痛・屈伸不能 | 柴胡加竜骨牡蛎湯去鉛丹大黄加芍薬甘草釣藤羚羊角、烏頭湯+虎脛骨丸 | 上盛の証消失、数旬で腰脚痛も全愈 |
2-17 | 疥癬の内攻による腹満洪腫。咽喉腫痛(結毒様)・身体疼痛・歩行不能 | 東洋赤小豆湯+平水丸→越婢加朮苓附湯→桔梗解毒湯+結毒紫金丹→桂枝加朮苓附湯+七宝丸 | 四段階の転方で全愈。「これほど劇しい毒は見たことがない」 |
2-18 | 眩冒・心下動悸・不眠。昏冒卒倒しそうになり数年治療無効 | 千金温胆湯加黄連酸棗仁、発作時に小烏沈散 | 数旬で快眠、宿疾忘れるがごとく治癒。痰飲と気逆に帰す |
2-19 | 外感が発汗で解せず。脈沈細・背悪寒甚だし・舌白苔滑(少陰直中) | 麻黄附子細辛湯→真武湯→補中益気湯加芍薬茯苓 | 解表→温陽→補気と段階的に全治 |
2-20 | 頭瘟(頭面焮腫)。寒熱甚だしく咽喉腫塞・痰喘で窒息寸前、左顎に膿瘍 | 小柴胡加桔梗石膏→牛蒡芩連湯→桔梗白散・麦門冬湯加桔梗→犀角消毒飲→千金内托散+膏薬外用 | 膿潰えて回復。清熱・通腑・開閉・養陰・托補を病勢で転換 |
2-21 | 暑疫で下痢数十日。噦逆(しゃっくり)・煩熱口渇・疲労甚だし | 連理湯(温清並用)、橘皮竹筎湯加丁香 | 下痢減じ噦逆止み漸解。寒熱錯雑への同時対処 |
2-22 | 脚気(足の痿弱・心下痞塞・口吻のしびれ)。後に雀目と眼瞼糜爛を併発 | 九味檳榔湯去一味加呉茱萸茯苓、明朗飲+鶏肝丸 | 脚気も雀目も全治。脚疾に夜盲併発の観察を付記 |
2-23 | 脚気で両脚麻痺・歩行不能。心下痞塞・手筋攣急 | 九味檳榔湯加減、舒筋温胆湯 | 一旦全治するも翌年再発、衝心で急死。「根源を断てず」と自省 |
2-24 | 六歳児、中暑後の全身洪腫・小便不利。衝心の候(心下満・動悸・気急促迫) | 越婢加朮苓合唐侍中の一方+黒錫丹、沈香降気湯合豁胸湯 | 利尿得て一旦安定、数旬後に驚癇で急死。「遺憾に堪えず」 |
2-25 | 産後の水気充満・心下鞕満。呼吸切迫し衝心寸前 | 沈香降気湯合豁胸湯+三聖丸、東洋琥珀湯へ転方 | 翌日呼吸緩み利尿、数日で全治。緩急の判断が要 |
2-26 | 傷寒を数日攻められ人事不省。鏡面舌の乾燥・痰喘・脈沈数・小便不利 | 真武湯合生脈散、陽転後に升陽散火湯加黄連→補中益気湯加芍薬茯苓 | 陽に復すを佳徴と読み全愈。陰陽転変の見極め |
2-27 | 演武後の急性腹痛・腹堅満・寒熱往来・便閉。右脇下の焮痛腫塊(腸癰) | 大柴胡湯→大黄牡丹皮湯+当帰蒸外用→当帰建中湯 | 臭膿下り腹痛減、膿尽きて治癒。蛔虫の誤診を訂正 |
2-28 | 臍下動悸が心下に迫り眩冒卒倒しそう。頭重大石を戴くごとし(上盛下虚) | 苓桂朮甘湯、妙香散を兼用 | 数旬で積年の病が脱然と治癒。水飲上衝の一本の病機 |
2-29 | 気鬱で決断不能・腹中拘急・心下動悸・四肢振戦・不食(四年治療無効) | 四逆散加呉茱萸茯苓(三年転方せず)、甚だしい時は沈香降気湯加呉茱萸黄連 | 養生指導「浩然の気を養うを第一とせよ」で全治し帰国 |
2-30 | 傷寒数日熱解せず。脈虚数・舌黄苔・食欲不振・激しい咳と痰喘 | 竹葉石膏湯、竹筎温胆湯 | 全快。以後外感時は小青竜湯→竹筎温胆湯が定型に |

コメント