第11回腹証奇覧・奇覧翼を読む 真武湯他
- 備忘録 東洋医学
- 7月30日
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更新日:11月9日
今回の処方
桂枝加附子湯、烏頭桂枝湯、甘草附子湯、桂枝附子湯、同去桂加朮湯
附子湯、附子糠米湯、真武湯、八味丸
今回は附子を含む処方です。
附子は冷えから来る痛みを治し、代謝の低下を改善する作用があります。
また桂枝辛温解表と言うように体表を温め、発汗を穏やかに促進する作用がありますが、附子は身体の中からの冷えを治す作用があります。
随って桂枝湯に附子を追加した桂枝加附子湯は冷えからくるいろいろな痛みを治す処方となります。更に冷え痛みが強いときは烏頭桂枝湯を用います。烏頭は附子の母根で鎮痛作用は強いのですが、加熱しすぎると毒性も減ると同時に鎮痛作用も減るので、上手に減毒して用います。私は烏頭を使ったことはありませんが、冷えの強い富山の漢方医は烏頭をしばしば使っているようです。甘草附子湯は風が吹いても痛いというように、激烈な痛みに用いる処方ですが附子の量はかえって少なく、主薬は甘草で、痛みで緊迫した心身の緊張を緩和する処方だと考えられます。真武湯は脾腎陽虚の処方で、冷えにより水滞をおこし、めまいや下痢をおこし、足もとがこころもとない場合に用います。附子は寒湿を取り除く作用もあるので陽虚水滞というように冷えによって停滞した水を巡らせる作用があります。また、発熱熱性疾患で、麻黄湯などで汗が出すぎて脱汗し、血圧が低下して筋肉がピクピクしてプレショック状態になったときにも芍薬で陰を守りながら回陽救逆する真武湯が用いられます。
最後に八味丸です。八味丸も腎陽虚に対する処方ですが。ベースは消耗した腎陰(腎精)を補う六味丸に補陽の桂枝と附子を加えた処方になります。附子と桂枝は二段ロケットのように身体の深いところから体表まで温めます。床暖房とエアコンのようなものでしょうか、附子は床暖房で下から中からあたため、桂枝は上から外から温めます。八味丸は応用の広い処方で腰痛や頻尿、夜間尿、下肢のむくみ、脚力の低下によるふらつきなど加齢に伴ういろいろな症状に用いられます。ガソリンを補いながら暖気運転する処方といえます。

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