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第19回腹証奇覧・奇覧翼を読む 黄土湯他

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 7月30日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

腹証奇覧・奇覧翼

今回の処方は

黄土湯、薏苡附子敗醬散、風引湯、土瓜根散

小品奔豚湯、広済奔豚湯、防風奔豚湯、小品牡蠣奔豚湯

です


今回はエキス剤にもなく、今まで発表しきれなかった残りの処方について解説していきます。

まずは黄土湯。黄土とはかまどの土のことで、温性で止血作用があり、便血、吐血など出血性病変の止血作用があり和胃降逆の作用があり、妊娠悪阻などにも使われる処方です。

黄土湯は出血性ショックで頻脈になった患者さんに応用され、厥陰病の時にも用いられる処方です。また潰瘍性大腸炎の出血下痢にも用いられています。

 薏苡附子敗醬散は慢性虫垂炎で皮膚が甲錯しているもの、子宮内膜症、クローン病などの炎症性腸疾患などに使われてきました。

 風引湯は竜骨、牡蠣、赤石脂、石膏など多種の鉱物を使用した処方で、昔、てんかんやひきつけによく用いられた薬であったようです。

 土瓜根散の土瓜根はカラスウリの根で土瓜根散は小腹の瘀血に対して用いられた処方のようです。

 ここからは、奔豚と言われる病症、豚が突然走るように、腹から突然動悸が突き上げてくる病症で、現代にいう発作性頻拍症やパニック症候群に近い病態だと思われます。

 奔豚と言われる処方は10種類以上あり、いずれの処方も桂枝甘草を含む桂枝去芍薬とをベースにつくられていて、それぞれに葛根、黄芩、炮附子、茯苓、牡蠣、呉茱萸、李根皮などの生薬を加えることによりいろいろなタイプの奔豚に対応しようと試みていることから、奔豚の病は当時、日常的に見られることの多い疾患であったと思われます。 

 現代ではこれらの病態に対して、抗うつ薬や、抗不安薬が用いられますがが、あらたな依存性を抱える可能性があり、減薬や廃薬に尾足らない例も多く見られます。漢方薬の作用は強いものではありませんが、より細かく見ていくことによって患者さんに治癒の方向性を示し、症状に向き合う力を援助することができると考えています。


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