第5回腹証奇覧・奇覧翼を読む 芍薬甘草湯他
- 備忘録 東洋医学
- 6月20日
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更新日:11月9日
今回の処方
芍薬甘草湯、芍薬甘草附子湯、呉茱萸湯、当帰四逆湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯
今回は腹痛やこむら返りの特効薬として知られる芍薬甘草湯から始まります。芍薬甘草湯の腹証は、腹直筋の拘攣です。芍薬甘草湯は陽である骨格筋のれん縮を緩和すると同時に、陰である腸管平滑筋の拘攣も緩和します。叔虎の図は、足は三陰交、鼠径部は府舎、腹は腹哀、脇は周営という脾系のラインの拘縮を示しています。
肝は筋を主る、脾は肌肉をつかさどる。というように、筋肉の拘攣において重要なのは陰経である肝経と脾系です。筋肉の緊張を主る肝血が不足して肝陽が上抗すると木克土で脾系である肌肉が拘攣することとなります。腎陽が虚して冷えにより腰部や坐骨神経の支配域が引き連れて痛みが生じる場合は附子を加えた芍薬甘草附子湯の適応となります。
呉茱萸湯は胃寒による偏頭痛に有効な処方です。肝気をゆるめ胃に収める作用があります。呉茱萸湯が肝経にも作用することは、当帰四逆加呉茱萸生姜湯において明確になります。この処方は寒滞肝脈というように呉茱萸に当帰、細辛、桂皮を配することにより補血温経し、肝経の冷えと痛みに有効な処方となるのです。したがってこの処方は下は下肢内側から鼠径部、陰部、下腹部、中は胃や腋、上は頭頂部の冷えや痛みに応用される処方となっています。

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