第6回土方中医学入門 脾胃
- 備忘録 東洋医学
- 10月9日
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更新日:11月9日
今回は、臓象学説における「脾・胃」を中心に、その生理・病機と臨床上の捉え方を整理します。中医学の脾は解剖学的脾臓ではなく「消化器一般」を指し、脾は運化(水穀を精微に変え全身へ運ぶ)を主り、これが気・血・津液の源=後天の本となります。脾はまた昇清を主って栄養を上へ挙げ、統血して血が脈外へ溢れないよう保持します。五行対応では、志は思、液は涎、四肢・肌肉を主り、口に開竅し華は唇に現れます。従って、思慮過度・食思・唇色・四肢のだるさは重要な脾の観察点となります。 これに対し胃は受納・腐熟と通降を主り、消化物を順に下へ送ることが正常で、嘔気、嘔逆・停滞感は降の失調として胃の気逆と表現します。脾の失調では、脾気虚(中気不足)により食欲不振・軟便・脱肛・脾不統血などがみられ、気虚が進めば脾陽虚から水湿中阻(痰飲・水腫)となり水の停滞がおこります。熱病回復期などでは気陰両虚となり、口咽乾燥や鏡面舌を呈します。小腸は受盛・化物と泌別清濁で水分再吸収に関わり、脾虚では下痢傾向(飧泄)を生じやすく、大腸は糟粕の伝送を司ります。臨床では「脾は生痰の源」「胃は降を主る」を軸に、健脾益気・温中散寒・燥湿化痰・昇提固摂・和胃降逆を組み合わせ、食思・便通・腹満、唇色や四肢の状態を総合して処方を選択します。脾胃は単なる消化の器にとどまらず、気血津液の化源として全身病態に深く関与し、後天の本として重要な役割を果たしています。(文責:峯尚志)

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