第8回土方中医学入門 腎膀胱
- 備忘録 東洋医学
- 10月9日
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更新日:11月9日
今回は、臓象学説における「腎」は、精・水・気を束ねる統合軸として位置づけられます。腎は精を蔵し、生長・発育・生殖を主ります。先天の精は両親由来、後天の精は飲食物から化生され、両者が相依して腎精(腎陰)と腎陽を涵養し、その発動として腎気がはたらきます。腎はまた水を主り、気化によって津液の輸送と尿の生成・排泄(開)、有用津液の再吸収と貯留(闔)を調節し、膀胱と表裏をなします。さらに腎は納気を主り、肺の呼吸を深部で摂納するため、腎虚では息切れ(腎不納気)を呈します。五行対応として、腎の志は恐、液は唾、骨・髄・脳・歯・髪に連なり、耳と二陰に開竅します。病機は腎精不足・腎気不固、腎陽不足(内寒・水腫・泄瀉)、腎陰虚(五心煩熱・盗汗)を基軸に、陰陽両虚、心腎不交、肝腎陰虚へ波及します。現代的に解釈すると、腎—骨—ミネラル代謝(CKD-MBD、腎性骨異栄養症)やビタミンD/リン・カルシウム代謝、血管石灰化と関係します。治法は補腎填精・温補命門・滋陰降火・固摂納気・利水滲湿を病機に応じて配伍します。臨床要点は、脾・肺・腎の三者協調による水液代謝、耳・二陰・骨・髪・唾といった腎の標識、そして「久病は腎に及ぶ」を念頭に全身像から弁証し長期経過で治療を組み立てることです。(文責:峯尚志)

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