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第8回腹証奇覧・奇覧翼を読む 小柴胡湯他

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 7月3日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

腹証奇覧・奇覧翼

今回の処方

小柴胡湯

柴胡桂枝乾姜湯、柴胡去半夏加括簍湯、柴胡加桂枝湯

柴胡加竜骨牡蠣湯


今回は少陽病の代表処方である小柴胡湯類について学びます。小柴胡湯はしばしば『胸脇苦満』という腹証を目標に投与されます。胸脇苦満は横隔膜をはさんだ臓器の炎症あるいは機能失調の時に現れます。横隔膜は胸と腹を大きな筋肉組織で別つ隔壁となっており、呼吸と連動し、人体の気機の流れを調節する大切な構造となっています。上は心肺、下は肝胆膵胃大腸など多くの臓腑と相互に作用し合う存在となっています。

 胸脇苦満は、とりわけ、情動を主る肝の働きと関係が深く、精神的ストレスにおいても出現します。また肝は血を蔵すと言われるように血室と言われる子宮や付属器の炎症の時も胸脇苦満が出現し、小柴胡湯の適応となります。

 柴胡桂枝湯は小柴胡湯に桂枝、芍薬が加わった処方で、悪寒、関節痛などの表証が残っているとき、慢性病で腹痛を伴う、胃炎や、膵炎、胆嚢炎などにも応用されます。

 柴胡桂枝乾姜湯は柴胡、黄芩の組み合わせに甘草、乾姜、栝楼根、牡蠣を含む処方で、微熱、口渇、動悸、頭汗などの循環器系の自律神経失調を伴う場合に使用されます。腹証においては軽い胸脇苦満とともに鳩尾の圧痛が目標となりますが、典型例では痩せて胸肋角が狭く、仙腸関節の緊張が強く、壇中の裏側の胸椎4番、5番の外側の凝りや後弯を認める場合があります。柴胡桂枝乾姜湯においては、骨格、臓器、精神の3方面からのアプローチで方剤の理解を深めていきます。

 柴胡加竜骨牡蛎湯は、柴胡桂枝乾姜湯のような、線の細さはなく、しっかりとした胸脇苦満があり、多くの場合、不安を覚えるエピソードがあって、それ以降不安や動悸が不意に訪れる場合によく用いられます。

 柴胡剤は清熱作用があり、急性熱性疾患に用いると同時に、現代では疏肝作用、抗不安作用を期待してストレス性疾患に広く用いられ、いろいろな生薬と組み合わせることによって幅広い症候や、体質に合わせて用いられる処方となっています。


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