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第9回腹証奇覧・奇覧翼を読む 大柴胡湯他

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 7月3日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

腹証奇覧・奇覧翼

今回の処方

大柴胡湯、柴胡加芒硝湯、四逆散、柴胡飲子、黄連湯、旋覆花代赭石湯

大柴胡湯(柴胡、黄芩、半夏、芍薬、枳実、大棗、大黄)


今回は、柴胡剤の中でも、瀉の側面の強い大柴胡湯からはじめます。

脾虚がないため、甘草などの補脾の生薬がなく、柴胡、芍薬、枳実で疏肝理気し、半夏で嘔を治し、肝胆道系の邪熱を柴胡、黄芩、枳実、大黄で瀉する処方になります。大黄は抗菌作用を持ち、胆道系の流れを良くして熱を腸から排泄します。大柴胡湯証を考えるとき、内臓脂肪が溜まった脂肪肝の患者さんを思い浮かべるとよいと思います。肝臓が熱を持ち肥大しているために横隔膜が圧迫されて横に広がり、横隔膜の可動性が制限を受けます。そうすると胸脇部の抵抗と同時に、強い苦満感を生じます。その苦満感を芍薬、枳実で緩めて緩めます。大柴胡湯証というといかつい筋肉質の患者さんをイメージしがちですが、飲み食いが好きな人が多く、おおらかなイメージを持つ人が案外多いものです。文礼の腹診図はそのニュアンスを上手に表現していると思います。

 四逆散(柴胡、芍薬、甘草、枳実)

 四逆散も柴胡で疏肝し、芍薬、枳実で緩めて瀉す処方なのですが、芍薬、甘草で筋の緊張を緩める作用を持つところが特徴です。筋の緊張は季肋部だけで無く背部にも及びます。ストレスによる胸脇部の強い緊張を緩めると同時に骨盤底筋の緊張も緩める力を持ちます。随ってストレスによる、季肋部や背中の張りや腹痛を治すと同時に、神経性の頻用にも有用な場合があります。

 黄連湯(黄連、人参、半夏、甘草、乾姜、大棗、桂皮)

 黄連湯は胸中に熱あり、胃中に邪気ありという言葉が有名ですが、半夏瀉心湯の黄芩を

 抜いて桂枝と黄連を加えた処方で、みぞおちの痛み、胸焼け、ゲップに用いられる。桂枝と黄連で気を下げながらも巡らせる処方となっています。

 旋覆花代赭石湯(旋覆花、代赭石、人参、半夏、炙甘草、生姜、大棗)は、人参、甘草、生姜、大棗で脾を補いながら、旋覆花、代赭石で気を下ろし、胃腸が弱った患者さんのゲップや、食物の通過障害を治す処方です。OTC薬もあるので、難治性のしゃっくりや、ゲップなどの使える処方として覚えておかれるとよいと思います。


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