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舌診を問う

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 9月9日
  • 読了時間: 2分

更新日:11月9日

舌診

舌診は東洋医学の「四診」の中でも特に視覚的客観性を持ち、臨床判断において重要な位置を占める診察法です。本報告では、舌診の基本的視点を整理し、臨床での有効な活用法を再考するとともに、実際の舌写真を交えて診断の深度化に貢献することを目的としました。本資料では、舌質(色、形、大きさ)、舌苔(色、厚さ、乾湿、剥落)、舌体の動きや潤い、さらに舌下静脈や舌尖・舌辺の特異所見を網羅的に提示し、それぞれの臨床的意義について整理しました。具体的には、淡紅舌・紅舌・絳舌・紫舌・胖大舌・裂紋舌・剥落舌・腫瘤・点刺・斑点などの分類を示し、実際の舌写真とともに解説を加えています。


 舌診においては、「色」は寒熱虚実、「形」は気血津液の充実度、「舌苔」は邪正の攻防状態を反映する重要な指標となります。また、苔の消長や剥落、舌の乾燥、潤滑、裂紋、点刺などの変化は、病勢の進退や正気の虚実を示唆する情報として有用であり、観察時点の病態変化を的確に捉えることが可能です。さらに、舌下静脈の怒張は瘀血証の重要所見であり、動的診察とあわせて判断することが推奨されます。


 舌診は形態的・色彩的特徴を通じて全身状態を把握する「可視化された臓腑診断法」として有用であり、特に病初期・慢性病・原因不明の症状に対する補助診断として高い有効性を示します。現代では写真や画像診断と組み合わせることで、より再現性の高い所見として記録・活用でき、情報が共有できるので教育的意義も大きいと考えられます。舌診は古典理論に基づく経験医学であると同時に、現代臨床においても応用可能な重要な診断手段だと考えています。舌診は望診のひとつであり、最終的な証の弁証は、四診合参しておこなうことが大切だと考えています。漢方的診断は全体をみる望診にはじまり望診に終わります。

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