top of page

衷中参西録傷寒

  • 執筆者の写真: 備忘録 東洋医学
    備忘録 東洋医学
  • 10月16日
  • 読了時間: 1分

更新日:11月9日

傷寒論

張錫純『医学衷中参西録』は、伝統医学の根幹である『傷寒論』を土台としながら、西洋医学や温病学の知見を積極的に吸収し、近代的臨床に対応させた代表的著作です。傷寒篇において張は、六経弁証を尊重しつつも、それを固定的に適用するのではなく、臨床実際に応じて柔軟に再解釈しています。たとえば「傷寒兼脳膜炎」のように、現代医学的な病態を念頭に置いた症例提示を行い、証候・脈象・治法を詳細に論じています。 彼の特徴の一つは、温病学の理論を重視して取り入れた点です。すなわち、傷寒病機を単なる寒邪による変化として捉えるだけでなく、熱邪が真陰を損耗する側面を強調しました。そのため、治療においては清熱解表とともに「補陰」を重視し、白虎加人参湯に滋陰薬を加味したり、玄参・麦門冬・知母などを配合して津液を保護する工夫を行っています。これは清代温病学派の「温邪傷陰」論を積極的に採用し、自らの傷寒治療に組み込んだものです。 張錫純の傷寒論理解は、「六経弁証を基礎としながら温病理論を折衷し、補陰を重視して病邪と正気の消長を調整する」という特色を有しています。これは単なる古方の再解釈にとどまらず、伝統と近代をつなぐ実践的な医療の姿勢であり、今日の臨床においても重要な示唆を与えるものです。

コメント


bottom of page