陰陽の原理:東洋医学的思考の起源
- 備忘録 東洋医学
- 6月7日
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易を深く理解すると、占う必要がなくなる——陰陽とは、そういう物差しだ。陰陽は中国哲学の根本概念であり、東洋医学の全体を流れる基本概念です。
東洋医学のすばらしいところは、どんな微細な部分を観察していても、そこから全体像を俯瞰する点にあると思います。核酸のつながりである遺伝子から一個の個体が発生するように、部分は全体の種(たね)であって、その種から全体に還ろうとするのが東洋医学の考え方なのです。
陰陽哲学の根本は易にあります。易では太極という全体から陰と陽に分かれる二元論から始まります。太陽は陽、月は陰、夏は陽、冬は陰、男性は陽、女性は陰、積極的な姿勢を陽、消極的な姿勢を陰というようにこの世の中のあらゆる事象は、陰的なものと陽的なものにあふれています。陰陽は単なる二元論ではなく、一方の対極に対立するものをおくことにより物事を相対的にとらえることで、どんな大きなものも小さなものの中にも相対的な2者を見いだします。陰陽の物差しは、比較する条件を設定することにより、縮尺の大きさを自由に変えられる変幻自在のものさしなのです。そして陰と陽が相互に対立しながらも、相互に依存しあうことを理解することにより、陰陽と切り取りわけも、常に変化する時間軸の中で、互いの存在を流動的にとらえることができるのです。
易というのは筮竹をつかう占いのひとつと思っているかたもおられると思いますが、易の哲学を深く理解すると占う必要がなくなるといわれます。陰陽は、1が2に2が4に4が8に8が16に16が32に32が64に64が128に……というようにどこまでも分けていくことができます。そして積み重なった陰陽のハーモニーが『卦』になり、ひとつひとつの卦の意味を理解し、卦と卦の関係性を理解することで、常に変化する時の流れをとらえることができるのです。卦を深く理解すれば占う必要はなくなるのです。
東洋医学では、患者さんひとりひとりの症状を大切にします。病的症状だけでなく、生理的な症状も大切にして、その人の全体像をとらえようとします。部分から全体をとらえ、全体をとらえた中で部分を理解しようとするのです。 (文責 峯尚志)

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