鼎談 三谷和合を語る
- 備忘録 東洋医学
- 7月16日
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第69回日本東洋医学会学術総会のシンポジウム8「鼎談 昭和漢方の風雲児 三谷和合先生を語る」(2018年6月8日)の記録です。今回は私の師匠である三谷和合先生の医師としての実像とその思想、そしてその臨床哲学の継承について紹介しています。
和合先生は漢方医学を現代医療に取り戻した功績にとどまらず、患者に寄り添い、人間の全体を診る医療の実践者でした。靴の種類から労働環境を見抜き、診療の合間にも患者宅を訪ね、患者の生活と人生に深く関わってこられました。論文より、まず靴を見た人でした。医療は病気を治すのではなく、病人を診るものであり、「処方はあとあと、本音を聞いたげなあかん」という言葉に象徴されるように、医師の人間力と想像力が最も重要とされました。
また、弟子に対しても厳しく、漢方使いではなく“漢方医”になるよう常に問い続ける教育姿勢を持ち、生活現場に医師を送り出す臨床教育を徹底しました。患者自身が病気を知り、治す力を持つという理念に基づき、患者会を組織し、生活に密着した実践を重視しました。
在宅医療の現場で、かつて和合先生の診察を受けた患者さんとの出会いを通じて、その思想が今なお生き続けていることが確認され、和合先生が目指した「医療の未来像」が現在の訪問看護やグループホームの形で社会に実装されてきたことが示されました。「漢方は手段にすぎない。真実を追い続けろ」という先生の探究心と、慟哭するほど患者の苦悩を自らの痛みとする深い情熱が、私たち医療人に「おまえは大丈夫か」と今も問いかけ続けています。

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